第50回ザ・ロープ帆船模型展 (1/5)

THE ROPE 50TH ANNUAL SHIP MODEL EXHIBITION 2025



特別出品

坪井悦朗 TSUBOI Etsuro

50年前の1975年、ザ・ロープの創設に参加した7名のうちの一人である。卓越した技術を持ち、特にスクラッチビルドによる極小のミニチュア模型に情熱を注ぎ、1/300 スケールのミニチュア模型を数多く製作した。彼の作品は非常に精巧で、特に HMS Victory の製作には10年もの歳月を費やし、模型の正確さを追求するためイギリスのポーツマスまで実物を見に行ったほどである。彼の作る模型は帆船模型として世界最小の部類に属し、しかもスケール感満点の超一流品である。お手元に用意した拡大鏡を使って、とくとご覧いただきたい。


50-01

浪華丸

坪井悦朗 

年代

1619年

船籍 日本
縮尺 1/150
キット 自作
製作期間

菱垣廻船は江戸時代に大阪から江戸に日用雑貨を運んだ大型帆船のことで、千石船とも呼ばれる一枚帆の木造船。菱垣は、舷側の装飾を兼ねた波よけの垣立が菱垣型であることに由来する。縮尺1/150の模型で屋久杉を使って船内の敷居、鴨居、障子、引戸などを作り、可動とした。

 

*浪華丸は、大阪市が市制100周年の記念事業として復元建造した菱垣廻船。

 

50-01

Naniwa-maru

TSUBOI Etsuro

Period:

1619

Nation: Japanese
Scale: 1/150
Kit: Scratch-built
Work devoted:


50-02

インデスクリート

坪井悦朗 

年代

1770年代

船籍 スウェーデン
縮尺 1/40
キット アマティ
製作期間

4カ月

Indiscret (左) とSpeedy (右)
Indiscret (左) とSpeedy (右)

1750年に建造され、アルジェリア沿岸で使われたケべック船と呼ばれるタイブの船。私掠船または海賊船として用いられたと思われる。浅い喫水、鋭い船首水線部、細い船体、短いマストに大三角帆等がケベック船の特徴であった。この模型は船体からバーツまですべて手作りであり、精密な帆船模型としては、「世界最小」の部類のもの。

50-02

Indiscret

TSUBOI Etsuro

Period:

1770s

Nation: Swedish
Scale: 1/40
Kit: Amati
Work devoted: 4 months


50-03

ロイヤル・ジョージ

坪井悦朗

年代

1715年

船籍 イギリス
縮尺 1/192
キット 自作
製作期間 2 年

チャタム造船所でクィーン(1693年)から再建され、1709年にキールが打ち込まれ、1715年に進水した100門1等戦列艦。1735年に大修理が行われ、1737年に完成、1741年に初めて就役した。1756年に100門の新型艦ロイヤル・ジョージが進水するとロイヤル・アンと改名された。

“Building a Miniature Navy Board Model”の作者Phillip Reedが製作した同船を参考に製作した。ミニチュアではあるが、内部構造まで精緻に製作することに注力して、やっと完成させた。ぜひ内部までご覧いただきたい。

50-03

HMS Royal George

TSUBOI Etsuro

Period:

1715

Nation: British
Scale: 1/192
Kit: Scratch-built
Work devoted: 2 years


50-04

ヴィクトリー

坪井悦朗

年代

1765年

船籍 イギリス
縮尺 1/300
キット 自作
製作期間 10 年

全長34cmのミニチュアビクトリー。物が小さいために作り直しの連続になった。ロープをクリートやビレイピンに結んだり、滑車に通す作業でジブブームを3回も折った。デッドアイ下のチェーン (0.15㍉の真鍮線)を黒くするのにガンプラックを薄めて腐食染めしたら、1年間で切れるところが出てきて、その補修には非常に手間取った。

50-04

HMS Victory

TSUBOI Etsuro

Period:

1765

Nation: British
Scale: 1/300
Kit: Scratch-built
Work devoted: 10 years


50-05

ラ・ルノメ

坪井悦朗

年代

1744年

船籍 フランス
縮尺 1/300
キット 自作
製作期間

フランス海軍のフリゲート艦の超ミニ。①ロープは全部撚(よ)り機で撚り、一番細いのが0.004㍉、②直径0.8㍉のデッドアイ(三目滑車)に0.15㍉の穴を正確に3つ空けるため治具を製作、③甲板上のグレ一ティングは厚さ0.25㍉・ピッチ0.25㍉と極小の世界。定評あるブードリオ氏の図面による製作であるが、この船の図面に限ってはロープの取り回しが非常にわかりにくく苦労した。

50-05

La Renommée

TSUBOI Etsuro

Period:

1744

Nation: French
Scale: 1/300
Kit: Scratch-built
Work devoted:  -


50-06

ラ・フロール

坪井悦朗

年代

1790年

船籍 フランス
縮尺 1/300
キット 自作
製作期間 2年

「花の女神」という優美な名をもったフランスの28 門フリゲート艦。その名の通り、女性的なきれいな船体のラインである。1770年頃フランスで建造され、アメリ力独立戦争に際してはアメリカ側に味方しイギリスと闘った。スタブ社の図面をもとに300分の1の縮尺で作った。

50-06

La Flore

TSUBOI Etsuro 

Period:

1790

Nation: French
Scale: 1/300
Kit: Scratch-built
Work devoted: 2 years


50-07

ジャンク

坪井悦朗

年代 18世紀
船籍 中国
縮尺 1/300
キット 自作
製作期間

全長わずか11㌢のミニチュアであるが、一般のサイズの模型に引けを取らないディテールとプロポーションを持たせてある。外板、滑車、ロープ等すべて11センチの全長にマッチした大きさで仕上げた。

50-07

Junk

TSUBOI Etsuro 

Period:

18th century

Nation: Chinese
Scale: 1/300
Kit: Scratch-built
Work devoted:


50-08

マリー・ジャンヌ

坪井悦朗

年代 19世紀末
船籍 フランス
縮尺
キット 自作
製作期間

19世紀末のフランスのマグロ漁船。両舷から伸びている大きな釣棹がユニークなのに惹かれた。船の前に立っているのは、実際は20㍍もある長い棹で、普段はメインマストの両側に固定されているが、作業中は海面上に下される。この棹には普通7本の釣糸があり、先に真鍮ワイヤーがついて釣針はその先につけてある。マグロはなかなかどん欲な魚で、白色の毛とトウモロコシの茎を混ぜた疑似餌で釣り上げる。

50-08

Marie Jeanne

TSUBOI Etsuro 

Period:

19th century

Nation: French
Scale:
Kit: Scratch-built
Work devoted:


50-09

スピーディ

坪井悦朗

年代 1828年
船籍 イギリス
縮尺 1/1000
キット 自作
製作期間
右側が Speedy (1/1000)
右側が Speedy (1/1000)

1828年ペンプロークドックで建造された英国海軍のカッター。この時代は密貿易の最も盛んな時代で、このような船足の速い船が密貿易防止のために至るところで造られた。最初はポーツマスでヴィクトリーの附属船として供給品の輸送や監視の役割を担い、以後1866年までの40年間に多くの戦列艦のテンダーとなった。約1㍉のデッドアイには0.1㍉ドリルで3つの穴をあけ、「繊維」のロープが通っている。舵もヒンジ付きで可動する。

50-09

HMS Speedy

TSUBOI Etsuro 

Period:

1828

Nation: British
Scale: 1/1000
Kit: Scratch-built
Work devoted:


50-10

オランダ海軍省の造船会議

坪井悦朗

年代 17世紀
船籍 フランス
縮尺 1/300 (船模型: 1/1000)
キット 自作
製作期間

セイモア・ルーカスが描いた「オランダ軍の新監事」の絵をモデルとしたもの。当時の造船技師たちは、実船の建造前に模型を造って検討を加えた。人間は椅子と一体の木彫りで縮尺1/33で作ったが、中央の戦列艦はミニながら立派なドックヤードモデルで、縮尺1/1000で作ってある。船尾の彫刻もすべて手彫りで、船首像も拡大鏡で見ればライオンであることが判っていただけるであろう。

50-10

Presentation of a Model to Dutch Navy Board  

TSUBOI Etsuro 

Period:

17th century

Nation: French
Scale: 1/300 (Navy Board Model: 1/1000)
Kit: Scratch-built
Work devoted:


50-11

スピーディ

坪井悦朗

年代 1828年
船籍 イギリス
縮尺 1/300
キット 自作
製作期間

一本マストのカッター。この位になると他の模型の作り方と違って薄い布がなかったり、糸をほぐして使ってもまだ太く材料集めに苦労するし、船体から部品まで全て手作りになってしまう。また製作中に部品を飛ばしてしまうと探すのに大変である。拡大鏡で見てもごまかしの無いように作るのが面倒である。縮尺1/1000 の50-09 スピーディとの対比を楽しみながらご覧いただきたい。

50-11

HMS Speedy

TSUBOI Etsuro 

Period:

1828

Nation: British
Scale: 1/300
Kit: Scratch-built
Work devoted:


50-12

オランダのヨット

坪井悦朗

年代 17世紀中頃
船籍 オランダ
縮尺 1/300
キット 自作
製作期間 4カ月

1670年頃、オランダ王室の遊艇として用いられた。オランダで発達したこの種の船形は、18世紀のカッターとなり、さらに現代のヨットへと発展するのである。吹けば飛ぶようなミニモデルだが外板も一枚ずつ貼ってあり、甲板上にはウインドラスから通気筒まで備わる。スノコも木を組んだものである。

50-12

Yacht Olandese

TSUBOI Etsuro 

Period:

Mid-17th Century

Nation: Olandese
Scale: 1/300
Kit: Scratch-built
Work devoted: 4 months


50-13

ハリファックス

坪井悦朗

年代 1768年
船籍 イギリス
縮尺 1/300
キット 自作
製作期間

アメリ力がまだイギリスの植民地であった頃、そのアメリカで建造されたスクーナーである。全長98㍉の中に、大きな模型と何等変わらない細工を施した。ちなみにデッキの板の幅は0.7㍉、滑車は小さいものでは0.2㍉の穴に0.15㍉のローブ(繊維?)が通っている。ローブの多くは髪の毛よりもはるかに細い。

 
       坪井氏の表彰状

 

本作品はアメリカ・バージニア州ニューポートニューズにある海事博物館 'The Mariners’ Museum and Park主催 1995年度展示会に出品し、入賞した。

50-13

Halifax

TSUBOI Etsuro 

Period: 1768
Nation: British
Scale: 1/300
Kit:1768 Scratch-built
Work devoted:



 42-27 オランダ海軍省の造艦会議  1:33  坪井悦朗 TSUBOI Etsuro
42-27 オランダ海軍省の造艦会議  1:33  坪井悦朗 TSUBOI Etsuro