第29回ザ・ロープ帆船模型展 (5/5)

Photo Gallery of the 29th Annual Exhibition 2004



29-48

アルガルべ地方の力ヌー

Canoe

 

ポルトガル

1/25 スクラッチビルト

関口正巳 Masami Sekiguchi

 

アルガルべというポルトガル最南端部の大西洋に面した地方で 古式鮪漁に用いられたらしい。かつてリスボンの海洋博物館を訪れた際に購入したモノグラフィーから製作したが、この船の歴史的背景などはポルトガル語のため、辞書を駆使しても上記以上には不明。

 



29-49

ル・プルクワ・パ?

Le Pourquoi Pas ?

1907 フランス

1/80 トイランド社

三田村勝 Masaru Mitamura 

 

海に魅せられていたシャルコー博士が船乗りになることを父親に反対されていたため、いつも「どうして駄目なの?」と言い続けていたことから自分の船の名前にしたとされている。この船は科学調査のため南極、北大西洋、北極等に毎年航海していたが、1936年グリーンランドへの遠征で沈没した。



29-50

マリー・ジャンヌ

Marie Jeanne

 

1908 フランス

1/50 ビリングボード社

塩谷敏夫 Toshio Shioya

 

フランス北西部、ビスケー湾に面した漁港コンカルノの鮪トロール漁船。鮪漁には頑強に波に立ち向かい、 十分に足の速い船が必要とされた。 50-60フランストン、12人乗り。



29-51

マリー・ジャンヌ

Marie Jeanne

 

1908 フランス

1/50 ビリングボード社

満原俊博(一般)

 

鮪トロール漁船。船の両弦前方に立つ2本の竿は長さが20メートルもあり、普段は立ててあるが、トローリング中は水平に降ろされる。キットをベースに、フランス海洋博物館発行の精織な図面を参照した結果、ほとんどのパーツを自作することになった。



29-52

マリー・ジャンヌ

Marie Jeanne

1908 フランス

1/50 ビリングボード社

高橋卓雄(一般)

 

船の両弦前方に立つ2本の竿には、それぞれ7本の釣糸の先に真鍮ワイヤーがついて、その先に釣針が付けられている。鮪は小魚を食べることから、トローリンク“においても小魚に似せた疑似餌を用いる。当時は白色の毛ととうもろこしの茎で作ったものを疑似餌を使ったとのことである。



29-53

マリー・ジャンヌ

Marie Jeanne

 

1908 フランス

1/50 ビリングボード社

川島壮介(一般)

 

伊東屋帆船教室の卒業生仲間で作ったグループの課題船として製作したもの。フランス海洋博物館発行の精緻な図面を使い、キットのブラッシュアップをはかったが、両方の図面の違いをどう処理するかに苦心した。



29-54

忍路丸

Oshoro-Maru

 

1909 日本

1/54 スクラッチビルト

松本善文 Yoshifumi Matsumoto

 

明治24年、当時の東北帝大農科大学(現北海道大学水産学部)の我が国初の水産実習船として建造・小樽を母港として多<の学生を育て約15年間活躍。その後昭和4年、日本海洋少年団に払い下げられ訓練船となり「義勇和爾丸」と改名された。本モデルは新造後約1年間の姿であった無動力のトプスルスク一ナ一を再現したもの。



29-55

ラ・クリューズ

La Curieuse

 

1912 フランス

1/40 ビリングボード社

倉谷恭平 Kyohei Kuratani

 

冒険家キャプテン Raurnond Rallier Du Baty の探検船。この船のように、前のマストに横帆を持ち、その他は縦帆という艤装を持った船をトプスル・スク一ナ 一という。ただし本船は工ンジンも併せ持った機帆船である。



29-56

エトワール

 L'Etoile

 

1932 フランス

1/50 ビリングボード社

古屋白夫

 

工トワ一ルは「星」という意味。アイスランド沿岸で鱈漁船として使用されていたが、その安全性などからシ一・トし一二ング・スク一ルに練習船として選ば れた。現在はフランス海軍最古参の練習船として働いている。帆を巻き付ける形式のトプスルヤードの機構解明には大変苦労した。



29-57

サー・ウィンストン・チャーチル

Sir Winston Churchill

 

1966 イギリス

1/75 イマイ社

三澤 寛 Hiroshi Misawa

 

船名は第二次大戦時のイギリスの首相に因んだものである。英国セール・トレーニング・アソシエーションが海事関係団体などから寄付金を集め、工ジンパラ 候をスポンサーとして本船を建造したo。1976年大西洋横断レースには、42名の女性実習生を乗船させて世界から大きな注目を集めた。



29-58

浪華丸(復元菱垣廻船)

Naniwa-Maru

 

1999 日本

1/70 スクラッチビルト

寿司範二

 

浪華丸とは平成11年に大阪市が国会図書館に唯一現存する千石積菱垣廻船弐拾分一図に依って建造した復元船。海上帆走試験では従来の認識を覆す性能の良さを証明した。この模型も国会図書館の原図から製作図を起こし、細部は大阪に3度足を運んで調査した。四通り、胴継ぎなど構造上の特徴を忠実に再現した。



29-59

クォウテモックの船首像

Figurehead of Cuauhtemoc

 

1982 メキシコ

スクラッチビルト

宮島俊夫 Toshio Miyajima

 

メキシコ海軍の現役練習帆船の船首像(フィギャーヘツド)。船名はイン力帝国最期の皇帝の名前で、この船首像になっている。 95年大阪帆船パレードに来航した時、右舷側を撮影、その後何年かして正面の写真が手に入る。そして2002年晴海に来航した際に撮影した左舷側の写真を会員から頂戴し、今回完成することが出来た。



《特別参加》

29-60

メデア

MEDEA

 

1904 年 スコツトランド

1/200 スクラソチビルト

Gus Agustin

 

当会の姉妹クラブである米国SMAからの参加。スコツトランドで僅か51日間で建造されたスチームョット「メディア」は、第1 次大戦ではフランス海軍のパトロール部隊に参加、1919年に英国の個人オーナーに売却された。その後第二次大戦ではイギリス海軍に接収され、弾幕用気球を鎖でつなぐための船として使われた。

 

終戦後再び固人所有となったメディアは機関を装備し、チャーターヨットや水上ギャラリーとして使われていたが、米国人に見いだされ、1937年にかつての美しい姿に戻され、現在はサンディエゴ海事博物館に保存されている。

 

この模型も同博物鎗の図面により製作した情景モデル。舵輪、天窓等はフォトエッチングした真鍮板、旗はライスヘーパーを使いアクリルペイントで塗装した。海はシナノ木を波様に彫り、塗装後ポリウレタン樹脂でコートして、最後に泡を艶消しの白エナメルで書き入れた。

 

1999年サンディエゴで開催されたノーチカル・リサーチ・ジャーナ ル(NRG) 会議においてこの船の作り方を講演しましたが、この講演内容はNRジャーナルで3 回に分けて掲載されました。この時、私と妻はメデ“ィア号に乗って午後の航海を楽しむ栄誉に浴しました。

 



 42-27 オランダ海軍省の造艦会議  1:33  坪井悦朗 TSUBOI Etsuro
42-27 オランダ海軍省の造艦会議  1:33  坪井悦朗 TSUBOI Etsuro