第28回ザ・ロープ帆船模型展(2/6)

Photo Gallery of the 28th Annual Exhibition 2003



28-13

レゾリューション

H.M.S. Resolution

18世紀初期 イギリス

1/50 コーレル社

奥村義也 Yoshiya OKUMURA

 

オランダのヨットを参考にして建造した英国海軍のカッターで、特徴は船尾が高くて喫水の深い流線型のため、快速で航行し、狭い水路や荒天時も操船できる帆船であった。この特徴から海軍は艦隊の連絡やパトロールに使用し、後には沿岸警備にも使われた。この模型はコーレル社のキットを基にチャップマンの図面にある当時のカッターに改造している。



28-14

ロイヤル・キャロライン

Royal Caroline

1749 イギリス

1/47 マンチュア・セルガル社

吉野成史

 

2年ほど前、伊東屋さんの店の前を通りかかった時、目に止まった帆船模型を衝動買いしたのが製作のきっかけ。ところが自宅に持ち帰ってキットを開けてみると、何と角材の束と図面がそっけなく入っているだけで、手に負える代物ではないことが判明した。しばらく手付かずだったが、インターネットで解説書を探し注文、依頼10ヶ月あまりの悪戦苦闘、青息吐息で完成させた処女作です。



28-15

ドルフィン

Dolphyn

1750 オランダ

1/50 コーレル社

横川洋右

 

ケッチ型の縦帆装船でオランダで数多く造られたものの1隻で、2本マストに各々四角帆を縦方向に張っていた。17世紀末から18世紀始めにかけて造られ大砲を装備していた。船足が速く航行性能も良かったので、オランダ、英国、フランス海軍が使用し、艦隊間の連絡、郵便船あるいは漁船としても使われた。



28-16

ドルフィン

Dolphyn

1750 オランダ

1/50 コーレル社

三田村勝 Masaru MITAMURA

 

ケッチ型の縦帆装船でオランダ、英国、フランス海軍などで使われた。特徴はフォアマストを省略してメインマストとミズンマストの2本マストに各々四角帆を縦方向に張っていた。また、大砲を装備していて、船足が速く航行性能も良かったので、艦隊の連絡艇のほか多方面で使われた。



28-17

トロア・リス

Trois Lis

1750 フランス

1/100 スクラッチビルト

小田  衛 Mamoru ODA

 

イタリアの故ルッシー氏の図面を2分の1に縮小して縮尺100分の1で製作した。この縮尺が仇になり、細かい装備品づくりが厄介で往生した。船名のトロア・リスは3つの百合のことで、百合はフランスの象徴である。実船は地中海で普及した三角帆(ラテンセール)をもつ150㌧足らずの小型貨物船だが、高速が買われて戦争にしばしば使われた。



28-18

ラ・シレーネ

La Sirene

1750 フランス

1/75 コーレル社

牧野 忠孜 Tadashi MAKINO

 

フランス海軍のフリゲート艦。船名はギリシャ神話に登場する船乗りを誘惑する美声の魔女サイレーンのことで、船首像になっている。この模型は伊東屋の講習会を受講するとともに、自身でも同時代の資料を調べ、リギングなどを中心に実船に近づけようとした。かなりのグレードアップがはかられたと自画自賛している・・・。



28-19

フォルモス

Falmouth

1752 イギリス

1/75 ユーロモデル社

瓜生法男 Norio URIU

 

1752年英国のブラックウォール造船所で建造された商船であるが、砲36門を装備していて護衛艦がいなくても航海ができた。また、乗組員が優秀であったため同程度の敵国軍艦にも対抗できた。キットはよくできているが、金属部品の大きさがラフで、船尾の彫刻はパイン材を削り着色して作った。ポーズが少し悩まし過ぎたかな。



28-20

ケベック船

Chebec

1753 スペイン

1/60 アマティー社

谷亀隆興 

 

エジプト西から大西洋に至るアフリカ北海岸の旧バーバリー諸国で暴れまわった私掠船。私掠船とは国家の承認を受けたいわゆる海賊船で、儲けも多かったために栄えた。特徴は大型の三角帆(ラテンセール)と浅い喫水で船足が速いことから重宝がられた。ちなみにバーバリー地方でとれた羊毛のコートをバーバリーコートという。



28-21

ケベック船

Chebec

1753 スペイン

1/60 アマティー社

堀岡長紀 Naganori HORIOKA 

 

モロッコ、アルジェリア、チェニジア、トリポリなどの地球回南部の海賊が使っていた船で、大型の三角帆と浅い喫水で操船性能に優れ船足も速かった。また、無風時にはオールを使用した。帆走時を想定して帆が膨らんだ状態に作るのに苦心した。



28-22

ベローナ

H.M.S. Bellona

1760 イギリス

1/100 コーレル社

渡辺高一 

 

英国の74門戦列艦の一隻でナポレオン軍との戦闘に参加して40年余使われた。この頃の英国の造船技術は世界一といわれており、とりわけ2層デッキの74門艦は操船もしやすく理想的な艦であった。そのため英国海軍の中枢として沢山の同型艦が造られた。この模型はお世話になっている友人の新築祝いにプレゼントするために作ったもの。



28-23

ベローナ

H.M.S. Bellona

1760 イギリス

1/100 コーレル社

小倉紀行 

 

伊東屋帆船模型教室に参加して早6年が過ぎた。この船は前回第25回展示会にバウンティーを出品した直後から取りかかり丸3年、十分時間をかけての製作だったが、目指す思いと実際との落差が大きく、改めて帆船作りの難しさと奥深さを思い知った。



28-24

ボンホーム・リチャード

Bonhomme Richard

1761 アメリカ

1/64 スクラッチビルト

加藤史郎 Shiro KATO

 

プードリオの1/48の図面を1/64に縮小して、10年の年数をかけて製作したストラクチャーモデルがやっと完成した。始めた頃はこんなにかかると思っても見なかったが、振り返るとあっという間であった。船体のみならず、進水用の船台も実物の仕組みを調べ、忠実に再現した。実船はアメリカ独立戦争時に米国海軍創設の父ジョン・ポールジョーンズの旗艦として活躍した。英国フラムポロー沖での海戦では4時間の激戦で英国艦セラピスを降伏させたが、自らも傷つき沈没した。



28-25

エンデバー

Endeavour

1764 イギリス

1/60 コーレル社

高橋 宏 Hiroshi TAKAHASHI 

 

キャプテン・クックが海洋探検で世界周航に使った有名な船である。元は石炭運搬船で、構造が堅牢で接岸し易い船であったため、1758年に海洋探検用に改造して使った。この模型のリギングはキットの図面で製作していたが、途中コンウェイ社アナトミーシリーズの本船の本を入手し、その本に書かれている正確なリギングを参考にして製作した。



 42-27 オランダ海軍省の造艦会議  1:33  坪井悦朗 TSUBOI Etsuro
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