年代: 9世紀
製作者: 栗田善一郎 Zen-ichiro Kurita
製作期間:10ヶ月
中世の北ヨーロッパはバイキングの活躍した時代であり、その時代の船の遺物が1904年ノルウェーのオゼベルグで発見された。現在は復元されてオスロ郊外の博物館に保存されている。この船は戦闘用というよりむしろ娯楽用の沿岸航行船であった。船体のクリンカー貼りはなかなか難しく、結局キットを2セット買って仕上げた。独特の構造を持つ舵や、オールの構造なども文献を調べて実物に近づけた。
年代: 1609年
製作者: 塩谷敏夫 Toshio Shioya
製作期間:1年3ヶ月
ヘンリー・ハドソンが、アジアへの北方航路を発見するための航海に用いた小型ガレオン船。この航海の途中、新大陸沿岸を南下中にハドソン湾を発見した。この船の製作は2度目となる。4年前に帆船教室で製作した1作目は、友人の新築祝いに嫁に行ってしまい寂しくなり、再び作ることにした。2度目なので早く完成するかと思ったが、やはり1年以上かかってしまった。
年代: 1678年
製作者: 橋原宗重 Muneshige Hashihara
製作期間: 1年(ケース入り)
造船技師ペッケルヘリウスによりコールベルグで作られ、'New Yacht' 'Great Yacht'として知られている。オランダ船に多く見られる特徴的な船体両横の卵形の板は、リーボードと呼ばれ、船の横流を防ぐという、現代ヨットのセン ターボードに相当する役割を持っていた。
年代: 17~18世紀
製作者: 奥村義也 Yoshiya Okumura
製作期間:2ヶ月
江戸時代最も多く使用された日本を代表する千石船で、江戸と大阪を往来した樽廻船を参考にモデル化されている。1枚帆の大型船で、米を千石積める事から千石船と呼ばれるようになった。船体外板の曲げにはアイロンの熱を使用した。また銅板が柔らかく取り扱いに苦労したが、案外すっきりと仕上がったと思う。
年代: 17~18世紀
製作者: 伊藤喬一郎 Kyoichiro Ito
製作期間:1年6ヶ月
今回の弁才船はキット(千石船)をベースに製作したが、構造が単純化され、簡単な図面しかなかった。従って博物館の模型や種々の資料を参考に、特に内部や垣立、艤装などを追加・加工して出来るだけ実物に近く仕上げた。このため特定の船ではなく、総花的な見本のような船になってしまった。従来手がけてきた外国帆船とは全く違った構造の船を製作するという貴重な経験をした。
年代: 1711年
製作者: 牧野忠孜 Tadashi Makino
製作期間:1年6ヶ月
イギリス海軍がイギリス海峡での哨戒と護衛任務用に建造したスループ艦。構造が簡単なスループ艦であるが、初めてのスクラッチビルトであるため、船尾、クォーターバッジ(船尾舷側の窓まわり)とフィギアヘッド(船首像)の出来映えが少々気がかりではあった。しかし最終的にはまあまあの仕上がりと自己満足している。
年代: 1711年
製作者: 佐藤憲史 Kenji Sato
製作期間:1年10ヶ月
英国海軍のスループ艦。元のキットはコーレル社の「レゾリューション」だが、キットの基になったと思われるH.I.Chapelle氏の「フェレット」の船体図にしたがって改造した。そのため、船体はキットより幅広く、また喫水は浅くなり、また甲板上のレイアウトもキットとは全く異なるものとなった。18世紀初期の1本マストのリギングについては資料が少なく時代考証には不安が残った。
年代: 1761年
製作者: 久保田榮一 Eiichi Kubota
製作期間:1年6ヶ月
日本で入手出来る最高の資料といわれるJ.ブードリオ氏の図面により製作したフランス東インド会社船。商船とは言っても海賊の横行する時代のこと、少なくとも見かけ上は軍艦並みの大砲を持っていた。この模型は外板を貼らず実船の骨組みを見せる「構造模型」となっている。材料は99.9%をひと塊の桜材のみから製作した。
年代: 1765年
製作者: 松下利夫 Toshio Matsushita
製作期間:10ヶ月
ナポレオンのフランス海軍に対してイギリス海軍が完勝した、1805年のトラファルガー海戦におけるネルソン提督の旗艦。今も当時の姿でポーツマスの乾ドックに保存されている。しかも現役艦の扱いであるところがいかにも英国的である。マモリ社の1/150のキットを1/200に縮小して製作し、100門の大砲パーツも追加して、極力細部まで再現した。
年代: 1767年
製作者: 奥村義也 Yoshiya Okumura
製作期間:7ヶ月
アメリカ独立戦争の頃に多数建造され沿岸警備などに活躍した、いわゆるコロニアルスクーナー。このキットは、アメリカの姉妹クラブSMAのドン・ドレッセル氏から贈られたもので、モデルシップウエイ社の初期のキット。一見簡単なキットだが、細かい部品をすべて手作りし、ずいぶん楽しませていただいた。
年代: 1768年
製作者: 谷亀隆興 Takaoki Yagame
製作期間:1年2ヶ月
イギリスの探検家ジェームス・クックの第一次探検航海(1768~71年、南太平洋への科学調査)に使用した事で知られる。もともとは石炭運搬船であった。スマートではないがグラマラスなボディーでがっしりと作られていたことから、この探検航海に相応しいとして、海軍が購入したものである。先にコーレル社のキットで製作したが、今回はアナトミーシリーズの同船の本によりスクラッチビルトとした。
年代: 1768年
製作者: 堀岡長紀 Takenori Horioka
製作期間:1年8ヶ月
最初は郵便船として建造されたが、1768年に英国海軍がこれを購入して貯蔵スペースを増し、武装を加えて、新大陸のイギリス植民地にて沿岸警備に用いた。帆はミシン掛けせず色鉛筆での線引きとしたが、線が少し太かったかなと思っている。またボートは初めて隔壁に外板を貼る方法で自作したが、船体が小さく苦労した。
年代: 1768年
製作者: 前川政司 Masashi Maekawa
製作期間:1年
当初郵便船として建造されたが、イギリス海軍が買い上げて軽砲を搭載するなど改装し、独立戦争直前の緊迫した時期にアメリカ東海岸でイギリス植民地の沿岸警備にあたった。構造模型の勉強のために船体だけ作る予定だったが、途中で気が変わり最後まで作ることになった。経験のない加工が多く試行錯誤の連続で、難しさを痛感したが、やはり製作は楽しく、すでに次作への挑戦の準備をしている。
年代: 1776年
製作者: 小林正博 Masahiro Kobayashi
製作期間: 9ヶ月
この船はラガーというタイプのフランス沿岸で発達した小型快速船。海軍の哨戒艇や沿岸の商船として、また戦時には私略船として、あるいは密貿易にと種々の場面で使われた。工作にあたり舷側のハンモック収納用ネットは、シアーラインの美しさにとても影響するので、気をつかった。慣れればさほど難しいものではないが、単調で忍耐のいる作業であった。
年代: 1777年
製作者: 川島壯介 Sosuke Kawashima
製作期間:1年
英国海軍のカッターで、アメリカ独立戦争以来活動していた私掠船の撃退用として活躍した。アナトミーシリーズの本を参考に、初めてのスクラッチビルトに挑戦した作品。試行錯誤の連続であった。特にカッターの特徴である外板の鎧貼りには苦労した。大砲は市販キットの不要品を流用しており、完全なスクラッチではないが、初めてにしては上出来だと勝手に思っている。
年代: 1780年
製作者: 土屋勝司 Katsuji Tsuchiya
製作期間:1年
アメリカ人が設計から建造まで全てを手がけた3本マストの小型軍艦で、マサチューセッツ州プリマスで建造された。独立戦争の時、アメリカの私掠船として活躍したが、イギリスの44門艦アッシュランスに拿捕され、コーモラントの名で英国海軍に組み入れられた。キットはキールとフレーム以外、ほとんど変更した。久しぶりのキットからの製作で、リギングなど不明なところが多く苦労した。
年代: 1780年
製作者: 三上裕久 Hirohisa Mikami
製作期間: 2年
英国の74門戦列艦の一隻でナポレオン軍との戦闘に参加、40年余使用された。この頃の英国の造船技術は世界一と評価されており、中でも2層デッキの74門艦は理想的な艦で、操船もしやすく海軍の主力艦として多くの同型艦が造られた。1/100という縮尺の割りには図面上の細部の指示が細かく、とても技術的について行けずかなり省略してしまった。
年代: 1793年
製作者: 高橋 宏 Hiroshi Takahashi
製作期間:1年3ヶ月
フランスの代表的な私掠船。私掠船とは自国政府から敵国の船を襲い略奪することを許可された船のこと。政府公認の海賊と言ったところ。船体周囲の装飾全部を彫刻する技量はないので1個だけ彫刻しキャストで複製品を作成した。船尾は下絵をもとに真鍮板にエッチングし、それを型にキャストで複製品を作り、装飾の凸凹を盛り上げて製作した。それらしく仕上がったと自負している。