1806 フランス
1/48 スクラッチビルト
中園 利孝 Toshitaka Nakazono
フランス海軍の標準的な16門グリック艦で、船名は白鳥の意。製作はブードリオの図面集に基づき、出来るだけ忠実に再現した。撚り目を強調するため、自分て撚ったロ―プを使用し、動索、静索ともウエザリングを施して風雨にさらされた雰囲気を出した。ラットラインの両端にアイを入れたが、通常の工法に比べて10倍の時間がかかった。全体的には直線と曲線のバランスを考えながらの製作となった。使用した糸の長さは1kmを超えている。
1864 アメリカ
1/50 スクラッチビルト
奥村 義也 Yoshiya Okumura
アメリカ南北戦争時代に建造された小型カッター。輸送船として使われたが時にはイギリスがら弾薬を仕入れ南軍に流すなど密輸も手掛けた。29回展はキットを製作して展示、今回はスクラッチビルトで製作した。船首から船尾まで続く甲板に合計88個の排水口を開けるのには大変苦労した。この模型は教室で教材として使用するため、初心者にもわかりやすいよう、主に白黒を主体色として仕上げた。
1868 イギリス
1/100 今井科学
倉谷 恭平 Kyohei Kuratani
シナ茶をイギリスに運ぶことを目的として建造されたクリッバーの1隻で、進水はカティサークの1年前。イギリスヘの到着が早けれは早い程、積み荷のシナ茶を高く売りさばくことが出来たので、毎年、新茶輸送のクリッパーによるレースが行われた。1872年に力ティサークとの間で史上名高いレースが行われ サーモピレーが勝利した。10年位前に購入したキットだが、眠りをさましてやっと進水させることが出来た。
1868 アメリカ
1/64 スクラッチビルト
渋谷 篤 Atsushi Shibuya
マサチュセッツ州東ボストンで入港船の水先案内船として建造された。切り立った船首水切り、シャープな船首水面下の形状、それに続く通常より船尾に寄った"腹"という独特の船体はスマートである。モデルシップウェイ社の非常に親切なキットの図面を使用し、縮尺を替えて制作した。船尾外板の曲線が複雑で三度作り直した。
1869 イギリス
1/100 スクラッチビルト
前川 政司 Masashi Maekawa
カティサークの解説本と図面からスクラッチで制作したもの。実船はキール、フレーム、3 本のロワーマスト、バウスプリットおよびブルワークが鉄製のため、模型でもその部分は金属(真鍮)を使って特徴を表わしている。この時代になると、実船では金属が多用されるようになっており模型においても金属加工に時間がかかった。初めてのスクラッチビルト、かつ金属加工等で試行錯誤を繰り返し、制作期間は3
年を要してしまった。
1893 フランス
1/25 スクラッチビルト
関口 正巳 Masami Sekiguchi
スベイン北東部にある地中海沿岸の漁村でいわし漁に使われたボート。AAMMの図面を縮尺1/25にして制作したが、作図量の多さと作図からの材料への転写、材料の切り出し、そして組立てには多くの忍耐が必要であった。この手の槙型では、結局0.1ミリ単位で微妙に厚さの異なる材料を製材しなければならないと云うことが分かった。